12、24ヶ月定期点検
シビアコンディションセットメニュー その2

作業の様子をご紹介いたします。

シビアコンディションセットメニュー

定期点検は毎回受けられていますか?

定期点検はお客様の愛車を“安全に、快適に”ご使用頂くためにも非常に重要なものです。

今回は、当店で行なわれている通常の点検に、“シビアコンディション”を追加したメニューを御紹介いたします。“シビアコンディション”とは、通常の点検箇所はもちろんですが、それ以外の当店が考える重要な部分の消耗箇所を分解点検し、予防整備を行なう点検時の追加メニューです。すでに当店でこのメニューを受けて頂いているお客様にも、もっとわかり易く点検整備の中身を知っていただくため、写真を掲載したり工夫いたしましたので、作業でお待ち頂いている間にでもどうぞご覧ください。

今回は定期点検でご来店いただいたお客様のSR400を例に当店独自の点検メニューをご紹介いたします。

シビアコンディション画像シビアコンディション画像

ブレーキの整備が終われば次に、チェーン、スプロケット、ダンパーの点検整備を行います。チェーンはご存知の通りエンジンの回転動力を後輪に伝える仕事をしています、オートバイが前に進むためには無くてはならない非常に大切な部品です。写真ではすでに後輪が外れていますが、分解する前にあらかじめ片伸び(偏磨耗)の点検をしています。ある程度距離を走ればスプロケットの偏磨耗等が原因でチェーンの張りが場所によって多少異なってきますが、ある部分ではたるみが50mm、他の部分では20mm。ということになっていれば明らかな偏磨耗です、チェーンとスプロケットは必ずセットで交換をして頂いたほうがいいでしょう。

あと、コマが動かないほど異常に硬かったりすると手遅れです、潤滑不足で内部に錆がまわって固着している可能性があります。かといってまったく粘り気がなく“カチャカチャ”動き過ぎるし、横方向にまで動いてしまう場合も磨耗限度です。今回はスプロケット、チェーン共に問題は無かったのでキレイに洗浄したいと思います。ブラシとチェーンクリーナーで表面についた泥や汚れたグリスをやさしく洗っていきます。汚れがキレイに落ちたらウエスで拭き取りしばらく乾燥させます。その間にハブダンパの点検をしていきます。ハブダンパはチェーンから伝わってきた急激な動力を緩和し、じわりとその力をホイールに伝える仕事をしています。ということは常にスプロケットとホイールの間で非常に大きな力で押し潰されているということになります。材質は多くがゴムですので、長期間使用されているものは硬くなってしまい、性能を発揮できていない場合や、潰されて縮んでしまいガタの原因になっていたりします。中には、ちぎれてバラバラになっていることもあります。この車輌のダンパは前回の点検時に交換していたので比較的キレイな状態でした。ダンパグリスを塗り、ホイールのハブに取り付けて完了です。


シビアコンディション画像シビアコンディション画像シビアコンディション画像シビアコンディション画像

続いて、リヤアームのガタのチェックを行います。ホイールが取り付けられ、接地している状態では体感し難いのですが、リヤアーム単体で上下左右に動かすと“カッコンカッコン”とガタが出ているのを発見することができます。人間の病気もそうですが何事も早期発見が重要です、乗ってリヤアームのガタが気になる程の状態ですと非常に危険な状態です。

このSR400の場合はリヤアームピボット部にグリス注入用の穴があるので、グリスガンで圧入します、古いグリスがアームとフレームの隙間から出てくればグリスアップ完了です。そしてリヤホイールのベアリングも指で回しながら動きをチェックします、動き、ガタ等問題なかったので、オイルシールの汚れもキレイに拭き取り、新しいグリスをたっぷり塗り込んでいきます。そうしているうちにチェーンが良い感じに乾燥してきましたので分解した後輪周りを組み付けていきます。

チェーンの張りを確認しながらリヤアクスルを締め付けていきます、ここで雑に本締めしてしまうとホイールのセンターがうまく出ず不具合につながります、左右アジャスターにしっかり当たるように力をかけながらセンターがでるように規定トルクで締め付けます。締め付けて一安心ではありません、最終的にチェーンの張りを確認、張り過ぎ、弛み過ぎがあればもう一度この作業を繰り返します。

仕上げにチェーングリスをたっぷりと吹きかけていきます。特にコマのリンク部分は念入りに吹きかけます、ただグリスもたくさんかければ良いというものでもありませんので、余分なグリスはウエスで拭き取っていきます。グリスは必要以上にかけすぎるとホイールやタイヤに飛び散りドロドロになってしまいます。

後はリヤブレーキペダルの遊び調整をします。大きすぎず小さすぎずですが、規定値内であればオーナー様の好みに調整します。遊びを調整したらブレーキランプスイッチの調整も行い完成です。


シビアコンディション画像シビアコンディション画像

次はブレーキキャリパーの点検整備です。右の写真はメンテナンス前です(整備前の写真を撮り忘れたので違う車種のキャリパーです)ピストン周りはブレーキダストや泥などでかなり汚れています。このまま長期間使用し続けるとピストンが固着して、ブレーキの引きずり、パッドの偏磨耗の原因になります。

キレイにしてあげたピストンは指で押すだけで”スルスル”っと入っていきます、ピストンにグリスを塗って指で数回ストロークします、これはピストンシールを潤滑するのとピストンの座りを良くするためです、斜めに入ってしまっているとかえって逆効果で、ピストンの動き不良になります。パッドもメンテナンスします、こびり付いたダストをキレイに落としパッドライニングの角を削ります、いわゆるパッドの面取りですが、これはブレーキをかけたときの鳴き予防です。

キャリパーにパッドが固定される部分はブレーキグリスを塗り潤滑します。このSR400のような片押しの浮動キャリパの場合はキャリパーとサポートがスライドするのでスライドピンもグリスアップし、パッドの偏磨耗を防ぎ寿命を少しでも延ばしてあげます。あとは、元通り組み付ければ完成です。

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